将来の年金と生活設計はどうなるか
年金額は厚生労働省が発表するモデルケース(:40年間厚生年金に加入し、その間の平均収入が厚生年金(男子)の平均収入と同額の夫と、40年間専業主婦の妻がいる世帯)を基準とし、支給される年金額は所得代替率によって決定されます。
現在は、現役世代の平均手取り賃金が39万円ほどらしく、所得代替率は約6割となります。要は現在、現役世代の収入の60%の年金を支給しているということになるわけです。しかし、私たちが年金を受け取るであろう時期の試算では50%程度になることが予測されます。この数値は人口動静態、経済状況によって±5%程度変化します。
www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/dl/h26_kensyo.pdf
(2018.6.4閲覧)
もちろんこれはモデルケースの場合であり、所得再分配機能によって一人当たりの所得の高い世帯は所得代替率が50%より低くなり、所得の低い世帯は所得代替率が高くなります。しかし、年金の給付額は所得の高い順に比例していくように設計されています。
このため平均的な老後生活費を確保するためには所得代替率の穴埋めをする必要があります。預金で老後に備えられれば一番気が楽ですが、預金のみではあまりにも厳しすぎます。会社が確定拠出年金で多少の掛け金を負担してくれたり退職金制度で何がしかの補填ができればそこそこゆとりをもって将来に備えることができるかもしれません。若干の運用の知識があるかないかで将来の生活が全く違うものになります。しかもそれは若い時期から準備し始めた人ほど断然有利です。
参考文献
細入徹 (2018) 『お金は増える!』 自由国民社.